やっと納得できるものが仕上がりました。
前前回アップした写真のものと同じものですが、光の当て具合でこれほど違うものとなります。
新光箔の赤貝色を使用しているのですが、写り込む光や写り込む物の明るさによって、それ自体の色まですごく変化します。
言ってみれば本当に使いづらい箔です。
使用される場合のほとんどがピンポイントなのでしょう。
これほど全面に使用した絵は見たことがありません。
しかし、この作品の場合、「黄色をいかに鮮やかに見せるか」この一点を考えて
あえて赤貝色の箔をバックに使用しましました。

DEMON 900×580mm
そして、この作品には私の持てるだけの技術を結集しています。
はっきりいって現時点での限界です。
日本画で車は難しい・・・、
難しすぎます。
しかし、もうここまできたら喜んでほしい人が喜んでくれるか?
これまでの過程は、この一点にしぼられてくるのではないでしょうか。
“喜んでほしい人が喜んでくれるか?”
もちろん私には分かりません。
所さんに作品を贈ったときもそうでした。
でも、ここで「自信なんてない」と書くと嘘になります。
気に入ってもらえるかどうか分からないのに、なぜかどこかに“自信”は潜んでいるのです。
何か、絵の話だけではなく、これまで生きてきた上で必ず必要としてきた、“さりげない生きる力”が、ここに“大きく”あるように感じてしまいます。
職業柄、いろんな“思春期まっただ中の男の子達”と接してきました。
中には自分に自信が持てなくて、様々な状況に陥ってしまう子どももいます。
そんな彼らとずっと接してきたこともあってか、
“根拠の無い自信”というものは、生きる上で絶対に必要なものだと確信するのです。
私には幸せなことに、それなりに多くこれを感じる能力が備わっているようです。
いろいろとごちゃごちゃと考えるわりに、いつもこの“根拠の無い自信”に行き着いて、
その場その場を乗り切ってきました。
*そう!、あとは見ていただくべき人に見ていただくだけなのです!
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前回の記事のついでにお見せします。
1810mmの幅で描いていた、DEMONです。
これも、“いい”と言っていただける方はいらっしゃいますが、私としては全く納得できないので、はっきり『失敗作です』と言ってしまいます。
しかし、時間だけは他の作品より数倍もかかっていますので、思い入れはものすごくあります。
なので、控えめにお見せします。

部分的にいい所はあるのですが、日本画の画材と、私の技量の関係がどうしても納得できない箇所を作り出してしまうようです。
(ライトの輝きなどすごくいいのですが・・・)
*ちなみに前回アップした作品は洗い流してしまってもう存在しませんが、この作品は一応残しています。
もちろん失敗作をお見せするのはどうかと迷いに迷ったのですが、“試作品”としてお見せします。
次は必ず“これしかないわっ!”という作品を仕上げます!
待っててくださいね!◯◯さん!
って、一人で勝手に盛り上がっています。
ついに描いてしまいました。
かの有名なある方の71DEMONです!と、言いたかったのですが・・・。
試作を繰り返さねばならないほど、私にとって車を描くことはとても難しいことのようです。
しつこくしつこく描ききって、見せる工夫も多く取り入れて、なんとかBlogでお見せできるだけの良い作品を仕上げることが出来た!と思ったのですが、どうしても納得できないので、やっぱりもう一度やりなおします。

*先日もフェラーリを描きましたが、車を描いてみると、私の頭の中に13年前の芸大卒業制作展がよみがえります。
それは、私の大好きな友人が、日本画で『黒いフェアレディZ』を描いていたからなのですが、あの当時、日本画のゼミで車を描くなんて考えられないことだったのです。
なぜ、考えられないことだったのか?
と、問われれば、自由にやっている“つもり”でしかない自分達がそこにいたと答えるしかありません。
あの時、私も“つもり”だったのでしょう。
(本当に自由にやっていれば、考えられたということです)
13年経った今、私が車を描こうという気持ちになったことを、私自身が一番驚いています。
しかし、描くということに素直になれた今、高校時代に芸大に進学しようと決意したその時は、工業デザインを学んで車のデザインをしようと考えていたことを思い出しました。
そういえば、最初は車やバイクのデザインがしたかったんです!
でも、私はキャンバスの中の自由な世界に憧れてしまった。
シャガールの作品の中の人物のように、私も空を飛んでみたかったのです!
そう!そうなんです。
自分の“無知と仕方のない欲”のせいで、日本画の伝統をよく理解しないままそこから離れようとする“勝手な解釈”と、現代芸術への多様のようでそうでもない、誰でも手が届きそうだという“勝手な憧れ”に、完全に捕われてしまいました。
結果、10年以上もその“キャンバスの中の自由を”失ってしまいました。
『生きていくには様々な制約がありますが、キャンバスの中には全くの自由があるはずです。』
今思い返して、卒業製作で一番印象に残っている作品は友人の描いた“Z”の絵だというところが、私の持っている自由な個性だといえるのでしょう。
*この辺りのクヨクヨ話しの引き出しは、10年分たっぷり溜まっていますので、我慢して付き合ってくださいね!
そしてヨンパチ!
20号で描きました。

1948 20号(727×606mm)