純金箔
十枚で、ん・千円。

私はバイクを描くときに背景に金や銀や銅の箔を使うことがほとんどです。
箔を押すとそこにはきちんとした奥行きのある特別な世界が現れます。
ただの金色ではありません。
何か異質だけれども、どこか懐かしくて、
また、奥行きだけではなく外への広がりまでもしっかりと感じさせてくれます。

箔が押されたこの特別な空間はまるで、
狭いはずなのに無限のひろがりを想像させる『ドラえもんの四次元ポケットの中』のようです。


画学生(昭和レトロな良い響きです)のときは
『箔を簡単に使うな!』と、教わりました。
これは、余白を金箔で埋めてしまうことに限って、極当たり前のお話です。
画面全体を考え、悩んでなんぼの若い時代に考えることを放棄する様な事ですから
試しにやってみるぐらいに思っておかないといけません。
まさに『ドラえもんのポケットに頼ってはいけません!』と、
言われているようなものです。
しかし、
今の私は簡単に箔を使ってしまいます。
なぜでしょうか?
それは、
私にとってバイクを描くことが画面を作ることではなく、
『バイクを作る』ことに近い、または『バイクの模型を作る』ことに近い、ということが理由になります。
ですから、はっきり言って
背景はいりません。
そしてまた、箔を使ってしまうこの四次元ポケット的な空間処理は
バイクそのものを画面にしっかり浮かび上がらせることに適していると
感じているからでもあります。
ドラえもんがポケットから道具を取り出した!
まさにその瞬間!!!

ガレリ、スプリットしんぐる~~~!(大◯のぶ◯)
です。
*注意:この作品に使用した箔は洋金箔の赤口(銅)です。
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そして、
箔を使うと必ず残る
箔押紙。

箔と箔の間に必ず一枚ずつ挟まっています。
これが無いと箔を押すことは不可能に近くなります。
これは、油とり紙と同じものですから
鼻の頭を拭きまくることも可能といえば可能です。
*注意:鼻にラメを塗ったようになる場合があります。
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