デッサンについてほんの少し。

01 17, 2013 | 竜燈鬼(デッサン考)

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100系ハイエースの修復を楽しんでいる間にいつの間にか一月半以上の時間が流れておりました。

そんなことで11月の末に描き始めた作品がやっとこさ仕上がりました。


竜灯鬼500
竜燈鬼(727×606mm)*写真拡大します。

興福寺西金堂伝来・竜燈鬼、
頭に燈籠を乗せている鬼の彫刻です。


それにしてもいい。。
とんでもなくいい作品です。(もちろん描いたモチーフのこと)
運慶・快慶、鎌倉時代の彫刻家達、慶派と呼ばれた仏師集団の作品はとてつもなく、あふれんばかりに拡大された『人の表情』の塊です。
この作品は運慶の三男、康弁の作品。





さて今回の作品、
描いたモチーフがとっても面白いものだから楽しんで描けるだろうと踏んでいたのですが、
甘かったぁ・・・

いつものバイクと違って
彫刻作品を描いた普通の日本画を描いている意識があるからか、
いろんなことが頭の中をぐりぐり巡って、またまたしょうもないことばかり考えるはめに陥ってしまいました・・。

特に下の言葉。。




〜〜〜以下、売れない作家のつぶやき〜〜〜

『デッサン』・・



この言葉を単に描く技術としてしか理解していない作家がいるでしょうか、
この言葉は作家にとって人生を映す言葉です。

絵の評価をするとき、よく
「デッサンがある・デッサンがない」という言い方をします。
これは単に技術の有る無しを言うだけではありません。
作家の人間的な総合力の有無を言うのです。

例え、偉い先生であってもそう簡単に「デッサンがある!」とか、「ない!」とか言ってはいけません。
その作家を完全に認めるか、完全に否定するかに直結するからです。
もし、簡単に言ってしまう先生がいるなら私はあまり信用しないでしょう。
デッサンに対する考え方が狭いと思ってしまうからです。
*一緒にデッサンについて考えてくれる先生がいい。。


デッサンを考えるにはまず、それが描き方を学ぶものではなく
『見る力を養うこと』ととらえて考えていかなければなりません。

一つのものを見て常に全体と部分を同時に意識しながら手を動かす。
更にはその裏にある、ものの本質まで知ろうとするような見る力を養うことです。

『一を見て十を知る』

私は授業で子供らにそう言うのですが、
『デッサン』が、『芸術家を目指すわけでない子供たち』にも教えるべき教材となるには
それが、一つのものをしっかりと見た上で、更にいろんな知識までをぶつけて考えることであると説かなければなりません。
授業では自分が普段、いかにものをよく見ていないかを実感できるかどうかが鍵となるわけですね。

ですから逆に考えると、
例え絵を描かなくとも、よくものを(ものごとを)見る努力をしていればデッサン力は上がる!
そんな解釈になります。
いろんなことを経験して人はその総合力をつけていきますが、
まさにデッサンとはそういうことの総称です。





さて、

私にはなぜか目の前に『描きなさい』という言葉が常にぶら下がっています。

生まれた時から描きまくってきました。
小学校のときに家族で食べた後の魚の骨が描きたくて、広告の裏に描いたのを覚えています。
ガンダムやキン肉マンも描きまくりました。
描くことがなんにもならないと分かっていても
しばらく描いていない時にはとにかく不安になります。
運命でしょうか、宿命でしょうか、いつまでやっても売れないのに。。

描くことが唯この不安を解消するためであるなら、
これを止めること(筆をおくこと)ができれば自分のこれからの人生、
別の道が開けるかもしれない!と、これまた本気で思ったこともありますし、
いまもちょこっと思っています。


しかしここ何年かは、
自分の個性を無理に出さない描き方をすることで、
描きたいものを忠実に描こうと考えるようになり
ずいぶん気持ちが楽になって、
自然体で描けるようになりました。



そしてそこから、一段だけ階段を上るために必要なこと。

ほんの少し、ほんの少しだけ自分の個性を認めること。
今の自分の最も大切な目標です。

『自分の作品を好きになる』

なるべく広く見えるようになって、ちょこっとだけ自分の個性もそこに投げてみること。
これが私にとっての求めるべきデッサン力だったりします。




〜〜〜○〜〜〜

と、
製作中に永遠そんなこんなを考え続けます。
まあ、いつものことですが、なんにも意味をなすものではありません。

これからも器用貧乏を極めるべく日々キャンバスと戦いますよ!


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*ちなみに『見る』の三段活用は『見える・見る・見抜く』。

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2 Comments

興福寺西金堂伝来・竜燈鬼を私は知らないので、本物がどうかはわかりませんが、藤岡さんが描いた鬼は「優しく」見えます。。。怖いはずの鬼が「優しく」見えます。。。これは藤岡さんの人柄が現れてる?
「絵」 は人の性格、心境、いろんな人の中のイメージを映し出してしまうと私は、っていうより一般的に言われてますから、藤岡さんの仰ってる「物事をよく見る」っていうのも当てはまるんでしょうね(^^)

by castle | 01 17, 2013 - URLedit ]

castleさん、ありがとうございます。

是非、興福寺の竜燈鬼、本物をご覧になってください。とっても魅力的ですよ。人柄が出てるとしたらこれを描こうと選んだことに出てるかも知れません。心をぐっとつかまれるような彫刻です。

いろんな子供たちの絵を見ていると性格判断は出来るようになります。それに描く時の心の持ち様もそのまま絵に影響したりします。一つのことをよ〜く見ているといろんなことが見えてきて楽しいですよね。



by 藤岡秀夫 | 01 18, 2013 - URL [ edit ]

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藤岡秀夫

Author:藤岡秀夫
1999年に京都市立芸大・大学院・日本画を修了。
美術教師兼、オートバイを描く日本画家。
Vintage Harley-Davidson、Classic-Motorcycleなど描きます。

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